東日本大震災では、電話回線を巡って、ある事件が起きました。それは、アナログ回線が最も強く、つながりやすかったという内容です。
これは、携帯電話やIP電話という、日常的に最も普及していたものが、根底から覆された驚くべき事件でした。
一時はもう終焉とすら思われていたアナログ回線でしたが、東日本大震災を経て、大きな変化がありました。なぜなら、携帯電話やIP電話と比べて、アナログ回線がつながりやすく、ライフラインとなりえたからでした。このことは、多くの人の常識を覆すことになったのです。震災後、アナログ回線を用意する人が、個人の家庭においても増えたといわれています。
ところで、大震災の際、アナログ回線はなんとか電話通信がキープできたものの、IP電話やひかり電話は使えなくなった場所が多かったといわれています。その理由は、通信に光ファイバーを使っている点にあります。光ファイバーのインターネット回線は、電気を使用するため、停電時には通信が途絶えてしまいます。
銅の電話回線を利用しているアナログ回線は、この線の素材の理由から、インターネット回線よりも強い威力を発揮したのです。
大震災のとき、携帯電話もつながりにくい状況になりました。その理由は、携帯電話やPHS基地局の倒壊・流失などが主な原因です。通信事業社は、移動電源車や車載型携帯電話基地局を被災地に配置するなどして、通信サービスがいち早く復旧するよう取り組みました。
総務省によれば、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、イー・モバイル、ウィルコムの5社の基地局が、合計で最大約29,000局が停波したといわれています。
普段の生活では気にも留めていないことでしたが、大震災時には、ライフラインとしての電話は非常に重要になります。日頃から、確実なライフラインを一つでも用意しておくことは必要不可欠といえそうです。
従来、電話回線といえば、銅線のアナログ回線だけでした。しかし、今では光ファイバーを使った回線など、さまざまなものが出てきていますよね。このような回線によって異なるケーブル事情を少し覗いてみましょう。
色々な電話回線がある中で、古くからあるアナログ回線の通話をつなぐケーブルは、「銅線」です。メタル線とも呼ばれます。音声はこの銅線を通じて伝えられていきます。
この銅線の特徴は、まさに音声が銅線を伝わっていくことから、遠方になればなるほど音が弱くなっていくところです。音声がかすれたり、雑音が入ったりと、通話品質の面で懸念のあるところもあります。
現在では、高度な技術や設備が導入されており、通話品質はそれほど気にならなくなっていますが、基本的には他の回線と比べると劣ってしまうのは仕方がないようです。
ISDN回線と呼ばれるのは、いわゆるデジタル回線のこと。アナログ回線と同じ銅線が使われています。アナログ回線は、直接音声を銅線に流していましたが、デジタル回線では、銅線にデジタル信号を流します。データを高速、かつノイズを避けて送ることができるので、アナログ回線よりもクリアな音声品質になります。
NTTのひかり電話でおなじみの光ファイバーを使った電話では、石英ガラスもしくはプラスチックの素材がケーブルに使われています。その構造は二重構造で、中心部に「コア」と呼ばれるものがあり、その周囲は「クラッド」と呼ばれるもので形成されています。
伝送は、電気信号をレーザー光へ変換し、高速で行うことが可能です。
ビジネスタイプでは、音声専用のIP網が構築され、通話帯域が確保されるので、従来の電話回線と堂々のクリアな音声品質での通話が可能になっています。
ケーブルの違いだけでなく、そのケーブルに何を通すかというところにも違いがあります。通話品質に深く関わることなので、ぜひ比較検討時にお役立てください。
NTTの電話回線種別には、現在、5種類あります。この5種類の電話回線はどのように選び分ければいいのでしょうか。そのサービスの違いを見てみることにしましょう。
NTTの電話回線種別には、「加入電話」「加入電話・ライトプラン」「INSネット64」「INSネット64・ライト」「ひかり電話」の5種類があります。この5種類のうち、「加入電話」とついているものは、アナログ回線で、「INSネット」とついているものはデジタル回線になります。また「ライト」とついているものと「ひかり電話」は、施設設置負担金が不要のサービスです。
加入電話と、加入電話・ライトプランは、どちらもアナログ回線の電話となります。サービス内容には違いがありませんが、初期費用が異なります。
加入電話は、施設設置負担金が36,000円(税抜)かかりますが、加入電話・ライトプランでは不要です。どちらも契約料800円(税抜)がかかりますが、その他、月々にかかる費用は、加入電話・ライトプランのほうが少し割高になります。
どちらもプッシュ回線とダイヤル回線の2種類があります。インターネットをしたい場合、ADSL回線を利用することができます。
INSネット64とINSネット64・ライトは、どちらもデジタル回線の電話です。ビジネス利用でも便利なのは、1本で2回線使用できることです。サービス内容はどちらも同じですが、INSネット64のほうは施設設置負担金がかかります。しかし、月々の使用料金はINSネット64・ライトのほうが少々割高になります。
どちらもフレッツ・ISDNを契約することで、インターネットが定額で利用できます。
光ファイバーを使用したインターネット接続サービスである「フレッツ光」を契約すると、利用できるようになる光IP電話です。通話品質も劣らず、他サービスと比べて基本料金が安く、電話番号も電話機も従来のものが使用できます。
そのお得さが受けており、ビジネスシーンでも多く導入されています。
オフィスの移転や、家庭の引越しの際に、変わらずIP電話を使用する場合、ちょっと気になることがあるでしょう。それは、050の番号が引越し後も変わらず使えるかどうかです。普通、一般の電話回線の場合、電話局が変われば電話番号が変わってしまいます。その点、IP電話はどうなるのでしょうか?
今回は、IP電話の050の番号は引越し後も変わらず使い続けられるかどうかに迫ります!
IP電話の050の番号は、原則として、引越し先でも同じ番号が使えます。「電話番号が変わる」という概念は、一般電話の地域と紐付いた事情に関係しているものであって、地域に依存しないIP電話では、そのような事情とは関係がないからです。
IP電話の番号は、地域ではなく、プロバイダがネットワークのサーバー上で管理しているので、国内のどこであっても同じ番号が引き継げるのです。
しかし、プロバイダが変われば番号は変わってしまうので注意が必要です。詳細は、プロバイダに問い合わせる必要があります。
例えば、auひかり電話では、同じ番号が使える場合と使えない場合の両方があります。また、他のIP電話サービスについても、引越し先で同じ番号が使えるかどうかを確認しておくと移転時などに便利です。ただし、「03」などの0AB~J番号を採用しているIP電話では、移転時に変更の必要があることもあるので注意が必要です。
引越し先のエリアが変わっても、050番号は基本的に変わらないというのは、ビジネス利用においても便利といえそうです。なぜなら、電話番号変更の案内を出す必要があったり、各種届出の変更手続きを行う必要があったりするからです。また、取引先の方にも多少なりとも迷惑がかかることでもあります。
050番号はその点、基本的には変更ないため、手間が省けますし、関係各社に対しても特に連絡の必要もありません。これも050番号のIP電話の大きなメリットの一つとしてとらえておきましょう。
会社に訪れた際に、受付に設置されている電話機。美しいエントランスに設置されたデザイナーズフォンがあるだけで、会社の印象が変わります。
このデザイナーズフォンも、立派なビジネスフォンの一つです。受付電話機に必要な条件を知って、ぜひ優れた電話機を導入しましょう。
受付電話機といえば、会社のエントランスにあるデザイン性の優れた電話機。とてもオシャレなものをよく見かけますよね。会社に訪れたお客様が、受話器を持ち上げて内線ボタンを押すと、担当者につながり、訪問を告げることができます。
デザインも大事ですが、コードレスタイプのものもいいでしょう。電話線がないので、見栄えの点でさらにスッキリして印象アップを狙うことができます。
受付電話機といえば、どちらかといえばビジネスフォンというより、家庭用電話機のルックスに近いですが、最近では、大型タッチパネル式のものも出ています。小さいボタンよりも、タッチパネルの大きなボタンを押すほうが、お客様に対して優しいといえます。ちょっとした気遣いやおもてなしをきかせることができる電話機です。
このように、受付電話機に必要な条件としては、デザイン性と操作性が大きいでしょう。
電話機によっては、呼び出し方法を変えることができるものもあります。訪れたお客様は、内線番号のボタンを押して、担当者を呼び出すのが一般的ですが、受話器を上げただけで特定の内線を呼び出すという設定ができる機種もあります。
機能の充実は必要ないと思われがちな受付電話機ですが、呼び出し関連の機能は必要条件に含まれそうです。
受付電話機は、飾り的存在だから、あまり費用はかけたくないという印象があるかもしれません。けれど、実際は、通常のオフィス内で使用するビジネスフォンとほぼ同等の価格で導入できるケースも多いので、ビジネスフォン導入時に同時検討するのがおすすめです。
会社の顔になるだけでなく、訪れたお客様が、来訪して初めて自社のものに触れるもの。ぜひ美しく使いやすいものを用意しておきたいものですね。